歯のメンテナンス

子どもの頃に「虫歯になるから歯を磨きなさい」と親から頻繁に言われた方も多いのではないでしょうか？

歯を磨いていたのに虫歯になる人も少なくありません。一方で、歯をあまり磨いていないのに、虫歯にならない方がいるのも事実です。

そもそも、口の状態は人それぞれ違い、歯や歯茎の形、色、細菌の種類などが同じ口内環境の人はいません。そのため、それぞれの口の状態に合ったケアができてないと、虫歯や歯周病になりやすいのです。

最悪の場合には、歯を失う可能性も否定できません。口を守るケアは歯磨きだけてなく、メンテナンスが大切です。自身の口内環境を把握し、適切な処置を行うことで、歯を守ることかできます。私たちは、患者さんの将来を見据えて、虫歯や歯周病から口を守るオリジナル予防プログラムを提案します。

口内には数百種類の細菌が存在し、人によって細菌の種類や数は違います。虫歯や歯周病を引き起こす細菌は特定されていて、的確な治療を行うことで症状を改善できます。

「位相差顕微鏡」では患者さんの歯垢を採取し、細菌の種類や動きをリアルタイムで確認できます。特に、歯周病治療の前後で細菌数の減少を確認することで、治療の効果を実感しやすいです。

フッ素は歯の質を強くし、虫歯になりにくくする働きがあります。市販の歯磨き粉には最大1,500ppmのフッ素が配合されているものもありますが、歯科医院で使用するフッ素は9,000ppmと「高濃度」です。

高濃度のフッ素を定期的に塗布することで、虫歯予防をさらに高める効果が期待できます。なお、「フッ素は子どもに使うもの」といったイメージが強いかもしれません。

しかし、大人になると食いしばりや歯ぎしりの影響で、歯の根元がすり減った部分が虫歯になりやすい傾向があります。そういった部分に高濃度フッ素を使用し、歯の表面をコーティングすることで虫歯を防ぎます。

「PMTC」とは、​​​歯科医師や歯科衛生士が歯に付着した汚れを除去することです。「毎日、歯磨きをしっかりとやっているから大丈夫！」という方でも、磨き残しがあるケースも少なくありません。専用の器具を使用して、細部にある歯垢や歯石を徹底的に除去します。

さらに、病原性の高いバイオフィルムは歯磨きで落とすことはできませんが、クリーニングでは除去が可能です。歯に付着した着色や歯垢をキレイに取り除くことで、歯の色がワントーン明るく見えます。PMTCは見た目の美しさを取り戻すだけでなく、虫歯や歯周病、口臭予防の効果にも期待できます。

「超音波スケーラー」は、超音波振動を利用して歯の表面に付いた歯垢や歯石、バイオフィルムなどを除去・洗浄する機器です。超音波スケーラーにはイリゲーション効果とキャビテーション効果があり、効率的に細菌の数を減らしながら除去ができます。　

特に、歯周病の場合には歯と歯茎の間の溝、歯周ポケットと呼ばれる部分に細菌が溜まっています。歯ブラシでは届かない歯周ポケットの深い部分も超音波スケーラーで酸素を送りながら洗浄し、取り除くことが可能です。

「Nd-YAGレーザー」は、レーザー光を照射するファイバーの使い分けによって、さまざまな治療に対応可能です。例えば、初期の虫歯はレーザー照射で除菌ができます。

また、フッ素塗布後にレーザー光を照射することで、虫歯予防効果を高めるだけでなく、歯質を強化する働きもあります。