抜歯を回避する治療

歯の病気が進行すると、通常の治療では十分に対処できず、最終的には「抜歯の必要性」が生じることがあります。抜歯すれば痛みなどから解放される一方で、その後には新たな問題が待ち受けます。

例えば、抜歯後に入れ歯を使用する場合、「噛みにくさ」「目立つ感じ」「食べ物が挟まり痛い」などの問題です。また、入れ歯は他の健康な歯を支えとして安定させるため、物を噛む際には支えとなっている歯が揺れ動き、その歯自体も将来的に抜歯の対象になる可能性があります。

このように、自身の天然歯と人工物とでは、治療後の状況に大きな差が生じることがあります。

そこで、当院では抜歯を回避し、できるだけ歯を残す選択肢を最優先に考えています。そのための具体的な方法は以下の通りです。

・ひどい虫歯の場合：エクストリュージョン法
・過度に進行した歯周病の場合：歯周組織再生療法
・歯の根の病気（根尖病巣など）：歯根端切除術

それぞれの方法について、以下で詳しくご説明します。

虫歯が進行すると、次のような状態になります。歯の状態は深刻化し、通常の治療では対処できずに抜歯が必要な段階です。

しかし、このような状態でも「エクストリュージョン」という方法であれば、抜歯を回避し、歯を残すことが可能になる可能性があります。

エクストリュージョンは、歯の根を上に引き上げ、それを被せ物の土台にすることで治療を行う方法です。この手法により、歯を抜かずに、そして自身の歯を土台にした被せ物治療を行うことができます。天然歯が土台なので、入れ歯よりも噛む力は衰えません。

「リグロス」は、患部に塗布することで、本来備わっている骨の再生能力を促進する治療薬剤です。この治療により、約8ヶ月で顎骨の再生ができます。しかも、リグロスは保険適用されているため、費用も抑えられるというメリットがあります。

ここまで抜歯を回避する治療についてご案内してきましたが、全てのケースでこれらの方法が適用可能というわけではありません。ただし、適切な状況下では、歯を抜かずに治療することが可能です。

ご紹介した治療方法は当院では行っていますが、他の全ての歯科医院で提供されているわけではありません。他の医院で治療中の方も、当院でセカンドオピニオンを受けてみませんか。自身の歯は、何よりも大切な財産です。どうぞお気軽にご相談ください。